工学院大学付属中学校の教頭先生を務める高橋一也さんの著書「世界で大活躍できる13歳からの学び」を読みました。この本の著者は、日本人として初めてグローバル・ティーチャー賞のTop10に選ばれ、まだお若そうなのに(お写真から勝手に判断…)教育理論、海外経験を兼ね備え、なおかつ中学校の教頭先生として現場の第一線で活躍されている方です。

時として、海外のカッコいい成功事例(「最高峰のハーバードでは…」「世界最高の教育水準を誇るフィンランドでは…」などなど)が並んだ本を読み「ほほう!これはすごい!」と感心した次の瞬間、直ちに「所詮は遠く離れた異国のお話。100年経っても日本の教育現場に持ってくることなんて無理!」と冷めた気持ちになってしまうことがあります。
そんな中、若くして海外に渡りインストラクショナルデザインを通じて高い学習効果を得るための効果的な教育方法を学んできた先生が、今日本の学校で「生徒主体の学び」いわゆるアクティブラーニングを実践として行っているという実例を読み、心が軽くなりました。世の中捨てたものではありません!

海外でケーススタディを学んだ日本人は、もうそれを日本に持ち帰って着実に種まきを始めているのです。(ちなみに、「インストラクショナルデザイン」とは、最適な教育効果を上げる方法を設計することを指しており、教育現場でのニーズが高まっている分野です。)

 

 

「英語の重要性だけを強調して終わることに違和感を感じる。」という著者の言葉を聞いて、妙に安心してしまう自分がいます。日本では「英語を話せる=グローバル人材」の図式で理解されてしまいがちだけれど、英語はコミュニケーションの手段として理解してほしい、というのが著者の意図のようです。若き日本人が自分の研究テーマを追って海外に渡った結果、出てきた言葉が「英語ができなくて周りについていけなかった...。」だけだったら実に悲しいではありませんか。英語は研究するための手段なんだと、その先つまり研究そのものにまい進する日本の若者を見たいものです。

最近よく耳にする「アクティブラーニング」の言葉。この「言葉だけが大流行してしまう」現象から一歩進んで、それを実践し効果を発揮している、というステージまで引っ張る力を持った教育者が日本にもいるのだ、と知ることができる希望の一冊です。

Web: The Global Teacher Prize