秋です。国内のインターナショナルスクールは、概ね秋に出願し、冬にかけて面接などの考査があり春前には合否結果の通知があるパターンが多いかと思います。この秋に出願するご予定のご家族、まだ決めかねているご家族、皆さん様々な状況におありかと思います。

インターナショナルスクール間での転校が非常に困難な状況であることを、先日の記事でお伝えしたばかりですが、それと同様に新規で(各学校の最低年齢学年から)インターナショナルスクールに入学することも、非常に難しくなっています。単純に、志望する家族が増えているという理由に加え、景気の状況やオリンピック前であることも重なり、海外からの外国人駐在家庭の流入期であることなど、様々な要因が考えられます。

ここであえて、「本来は日本の義務教育を受けるべきお子さんを(義務教育を放棄してまでして)インターナショナルスクールへ通わせる」という選択について考えてみたいと思います。帰国子女でもなく海外渡航予定もない、ご両親ともに日本国籍のお子さんのケースです。

ご両親ともに日本語を母国語として話す、一般的な日本人家庭がお子さんをインターナショナルスクールへ通わせると決断する前に。まず大前提として、「子供の学習言語を英語に設定すること」に長期的にコミットできるかどうか。これだけはご夫婦でしっかりと話し合ってコンセンサスを持っていなければならないと思います。

前述のような境遇のお子さんにとって、日本に住んでいながら「お父さん・お母さんの言葉でもなく」「居住地(今住んでいる日本)の言葉でもない」英語という言語をあえて学習言語に設定するということは、非常に大きな決断でありますし、長期的に見ると大きなリスクを伴うことでもあります。慎重に検討することをお勧めします。

検討する際の判断基準は、以下のように考えるのが妥当だと思います。お子さんの現在の年齢が仮に5歳であると仮定した場合、大学受験という大仕事の準備に入る年齢(=高校生くらい)までに十数年の就学期間があります。十数年もの長い年月をかけ、様々な知識体系を英語で学びます。海外の大学を受験する場合、ライバルは当然ながら現地の英語のネイティブスピーカーたちです。それと同時に、本来母国語であり学習言語であるはずだった日本語を身につける機会を同じ長い年月をかけながら失ってゆくリスクにも晒され続けるわけです。

少なくとも小学校(できれば中学校段階も)のベーシックな勉強内容について、ご家庭で以下のようなフォローができそうかどうか、という点が重要です。難関大学受験の準備こそ専門家のヘルプを必要するにしても、小学レベルの最低限の勉強は家庭で親がみてやる必要があるでしょう。例えば、

1) 日々の子供の勉強に寄り添う、手助けをすることはできるか(四則演算より先の段階くらいの算数を英語で見てやれるか、年齢相応の英語本の読書など)、2)子供の学習に不得意分野があった場合、家庭内でフォローしてあげられるか、3) 海外への進学する場合親として進学準備(受験勉強の手助けや進学先選定のための調査など)をサポートしてあげられるかどうか、4) 子供が書いた英語の文章(各種エッセイなど)の良し悪しを見てあげることができ的確なアドバイスを与えられるか、

といった点を想定して考えて見てください。仮に学習言語が日本語であれば、容易に可能な範囲だと思います。しかし「子供の学習言語を英語にしてしまったために、サポートをしてあげられない」というのであれば、危険信号点滅だと思います。家庭でのサポートを得られないのであれば、国内インターナショナルスクールに通って十数年過ごしても、海外への進学準備でお子さんが優位な位置につけることは非常に難しいのかな、という気がします。「インターに入れたから自分の子供は自動的に高いレベルの英語を操れるようになる」というのは残念ながら誤解です。お子さんの年齢が小・中学生、と小さければ小さいほど、家庭で親御さんの介入や補助が不可欠です。

競争の激しいアメリカの難関大学への受験を想定するならば、当然ながら他の受験者は英語を母国語とする両親の元で育ったアメリカ育ちの優秀なアメリカ人であることが容易に想像できます。

うちは英語でそこまでサポートするのは無理そうだな、という感触を今の時点でお持ちのご家庭は、インターナショナルスクールに行かせる、という選択肢をもう一度見直してみても良いかもしれません。子供の学習言語をコロコロ変えるわけにはいきませんから、就学年齢に達する時点で方針を固め、あとは大学受験を終えるまでは変えるべきではない、という前提で決断する必要があります。


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