昨日、2018年10月15日の月曜日。アメリカでは、アジア系の入学志願者が入試で不当な扱いを受けたとしてハーバード大学を相手取り起こした裁判がボストンの連邦裁判所で始まりました。

今回の裁判を通して、同大学の入学選考の過程が詳しく明るみになるのではないか、と見られていて注目を集めています。世界屈指の名門大学ですから注目を集めるのは当然ですが、この裁判の行方が後々他の大学の入学選考過程に影響を及ぼすようになるのでは、というふうにも見られているので、私も裁判の展開を注視してゆきたいと思っています。

アジア系の学生団体は、同じ成績の応募者がいた場合、ヒスパニック系・アフリカ系の応募者や白人の応募者に比べてアジア系の応募者の合格率が低く、それは人種により不当な扱いを受けているせいだ、と主張しています。そもそもアメリカにはアフリカ系やラテン系の学生を優遇して入学させる「アファーマティブ・アクション」という制度が何十年も前からあるのですが、今回の裁判ではこのアクション(制度)の是非についても一緒になって議論されることになるでしょう。

奴隷制度の歴史を持つアメリカ社会の中で、黒人やヒスパニック系への差別を是正するために取られたこの「アファーマティブ・アクション」ですが、逆の味方をすれば、同じ成績の応募者がいた場合「この制度のおかげで黒人やヒスパニック系応募者が優遇される一方、白人は不合格になってしまう。」という現象が仮に起きたらどうでしょうか。白人の応募者から見れば「不公平な制度」「フェアじゃない」なわけです。(いわゆる「逆差別」の問題)

人種の問題。模範解答が簡単に出てくるような問題ではありません。また、今回のこの裁判の原告側にはユダヤ系の人物がスポークスマンのような中心人物としてよく登場しますので、この裁判が単純に「アジア系 vs ハーバード大学」の裁判ではないようにも見えます。(ユダヤ系の保守派団体がもともとこの「アファーマティブ・アクション」を撤廃したがっている、という構図もあるようです。)

また続報があれば、書きたい話題です。

ちなみに、ハーバード大学が人種差別をしているのかどうか、というハナシからちょっと離れ、この点もちょっと復習しておこうと思います。「ハーバード大学のそもそもの入試プロセスの考え方」です。

一言でいうと「Holistic Approach」(=総合的なアプローチ)。学業成績のみで合否を判断する訳でなく、高校時代にどんなアクティビティをしてきたのか、自己実現のために何を達成してきたのか、というようなことを総合的に見て判断している、ということのようです。

Harvard uses what it calls a holistic approach to admissions, considering not only an applicant’s academic record and test scores but also activities, formative experiences and personal attributes. The model is widely used by other top colleges.

Wall Street JournalThe Secrets of Getting Into Harvard Were Once Closely Guarded. That’s About to Change.」から引用)

 

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