日々思うのですが、親から受ける母国語の恩恵を大切にして生活することは、長期的に見て子どもの語学力に大きな利益をもたらすものです。自分の子どもは、いわゆるハーフです。私の母国語(=日本語)、夫の母国語(現時点で、子ども達は話せないし学習もしていない)そしてインターナショナルスクールで使う言葉である英語。頑張って頑張って「日本語・英語のバイリンガルに!」と目標にして子育てしていますが、日々一進一退。容易ではない綱渡りのような気持ちで日々奮闘しています。

インターナショナルスクールにおける生徒のバックグラウンドの構成比は、現在のところ(国際的な背景がなく両親ともに英語をあまり話さない)日本人家庭のお子さんの比率が非常に高く、英語を母国語とする両親の元に生まれた英・米・豪などのネイティブ英語スピーカーの割合いはとても少ないです。日本人の次に多いのは、いわゆるハーフのお子さん達(私の子ども達もこのカテゴリーに属する)。

日本人家庭のお子さんにしても、両親のどちらかが日本人の家庭のお子さんにしても、10歳に達していない時点で「日本語の読み書きがほとんどできない。諦め状態にある。」お子さんは相当数います。一方で、インター内の学習言語は英語であるにも関わらず「算数の授業中に先生が英語で説明する内容が理解できない。1-2行くらいの英語で書かれた文章問題が理解できない。」お子さんも相当数います。現実です。

一つの例として自分の子どもを挙げると、東京に住んでいながら日本の学校へ通わせずインターナショナルスクールに通わせる選択を親がした時点で、子どもは「母親の母国語でもなく、父親の母国語でもない英語という言語」を学習言語として使わなくてはいけません。幼少期はあまり気にならなかったのですが、就学年齢に入り数年経ってくると、子ども本人にとって重要な英語という言語の使い手として、母親も父親も「ネイティブのそれ」には足らない、という現実に直面することが度々あります。例えば、子どもがあまり出来ばいの良くないエッセイを持ち帰ってきた時。化学の勉強をしていて私から見て難しいと感じる化学用語を、本人は英語を使って学んでいる時。(色々と質問されても、文系日本人の私にはこの科目を英語でというのは、ゴメンナサイ。ワカリマセン。ママ悲しい...)これから子どもが成長するに連れこういうことが増えてくるんだろうなあ、という予感。

子どもがスクール内でボール遊びをしていた時、日本人のお母さんが横にいて自分の娘さんのボール遊びを見守っていました。「I catched the ball! I catched!」と自分のお母さんに向かってアピールする女の子。脇を通りかかった先生が「Say "I caught".」と直してくれたのですが、それでも「Catched! Catched!」を連発。一切英語を話さないお母さん。何を注意されたのか、わからなかったようです。すぐ後に自分のお母さんの元に駆け寄った女の子は、今度はボールを集めながら日本語で「一枚、二枚、三枚...」と(ボールを)カウント。

こういった光景は、珍しいものでもなんでもなく、まさに日常の光景です。「うちの子はプリスクールからインター育ちなので、日本語が変なんですー!ウケますよねー!」と言われてしまえばそれまでですが、自分の母国語である日本語で「ボールは一枚、二枚でなくて、一個、二個だよ。」と一言添えてあげながら日々を過ごすかどうかによって、数年先の子どもの日本語力に大きな差をもたらすだろうことと思います。

同様に、英語を解する親御さんであれば「Catchの過去形はCaughtだよ。」というような指摘が即座に可能なわけです。就学年齢に達している子どもを持つ親であれば、日本語を母国語として話す子どもに対し「て・に・を・は」が明らかに間違っていれば、それを子どもに指摘するでしょう。英語を母国語として話す子どもに対しては「He do.」と言っていれば「He does.だよ。」と直しを入れたりするでしょう。親の母国語であれば、「このくらいの年齢であれば、子どもの為にも、きちんと直してやらなければ。」という肌感覚があるというものです。

普段から意識していなくても、母親として自分の母国語を我が子に授ける、という責任?のような大切さを強く感じる瞬間が時々あります。自分の子どもがハーフだから?もしくはインターに通っているから?理由はいくつかあると思いますが、これは私は子ども側からしてみたら、将来的にはGiftだと思ってくれたら良いな、と思っています。夫が日本語を解さない我が家で「て・に・を・は」を正しく教えてやれるのは母親の私一人ですから、諦めずに授けてやりたいと思います。もちろんインターナショナルスクールには、前述のように生粋の日本人のお子さんもいますし、ハーフのお子さんもたくさんいます。でも、彼らの日本語のレベルは想像を絶するほど強弱の振れ幅が広いです。親御さんの気持ちのあり方、目標像の持ち方が各家庭で全然違うからです。インターにいるんだから日本語が弱くたって問題ないだろう、という考えもまたあるのだと思いますが、だからと言って英語のレベルがネイティブ並みに育っているかと言えば、否。というパターンも多いのです。いわゆる、ダブルリミテッド。

あくまでも大切なことは、「インターに通っているから」だからと言って「日本語ができない」もしくは「英語が米国や英国のネイティブの子どもと同等に習得できる」という結果が自然的に必然的にもたらされる訳ではない、と良く理解することです。インターは、とにかく多種多様な考え方の家族が混在する場所です。同じ日本人でも「子どもの日本語は大切だ」という人も入れば、「英語が全てだ」と断言する人もいる訳です。それはそれ。他人様の意見です。我が子の将来像に「日英バイリンガル」を掲げる日本人の親であれば、日々コツコツと。脱落しないように手助けし、見守りたいと思います。

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