国際バカロレア、通称IB。日本は今、官製?IB大ブーム状態。これに不安を抱いているのは私だけでしょうか。ここ数年の間に、IB信仰?がドドドっと広まりました。海外在住中に子どもが通っていた学校がIBカリキュラムだったので、帰国後も同じカリキュラムを続けたい。というこれまでの「ニーズベース」のIB選択とは違って、メディアで良く聞くようになった「IBってなんかすごい!」っていう印象を元にIBを信仰する考え方を持つ人が非常に増えたことを、私は密かに不安を感じています。

このブームには「日本人の根底にある(親が抱く)英語コンプレックスが転じて"子供には早期から英語をやらせなくては!"という焦り」転じて→「インターナショナルスクール大ブーム」が起き、そして「メディアに踊る"グローバル"、"国際化"などのキーワード」「閣議決定による"日本再興戦略"の一つとしてIB認定校国内200校の目標」などの土台の上に、「海外の最先端のプログラムであるIBをやれば、将来が開ける!」というイメージを抱く親が増えたという背景があります。

「IBをやれば、将来が開ける!」と考えるのは、合っていると言えば合っているでしょう。IBの掲げるIB学習者像を体現し、グローバルに活躍できる素地を身につけることができる思えば、人間一人が得られる資産としてこれ以上素晴らしいことはないと思います。本質を問い、探求でき、議論し、表現できる人材となって世界に飛び出し活躍する、というIBのイメージはそれはそれで間違いないものです。

しかし、何のリサーチもせずにメディアの心地良い言葉に表面的に踊らされ、そう信じているのであれば危険と言えば危険です。大学受験に向け何年もかけて行う教育でありそして最後にはDPの試験を受けるわけですから、単なるIBブームによるIB信仰で子どもにその道を決めるのには、待った!と言いたくなります。DPの試験要項を見極めて、調べに調べ、それでも勝ち目がある環境(スクール、教師陣の経験と質、子どもの適正)が整っているときに初めて検討するべきだと思います。


IB教育について、基本的な概要やイメージ像をリサーチしたい方は東京インターナショナルスクールの坪谷ニュウエル郁子さんがお書きになった

世界で生きるチカラ:国際バカロレアが子どもたちを強くする

をお読みになると良いかもしれません。お勧めします。


進学テクニック、(大学)受験テクニック的な側面で言えば「Outstanding(=他を制するほど非常に高い)なスコアをおさめIBのDPを取得できた場合、海外の超難関大学に合格する可能性を高めることができる」るわけですから努力して得られる利益は大きいです。しかしながら、それを実現することは容易ではありません。まだ子どもの年齢が小さい場合、その親御さんの間で結構忘れられがちなポイントなのですが、「DPで高いスコアを取得することは、そもそも非常に難しい」んです。

DP(Diploma Programme)は16歳~19歳までを対象としており、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能なプログラムです。

文部科学省IB教育推進コンソーシアムDP(ディプロマ・プログラム)」から引用)

しかし、「IBをやりさえすれば、やるだけでアイビーリーグなどの難関大学に入れる!」というような言い方、考え方の人が私自身、周りにすごく増えた気がします。これは危険です。なぜそう思えるのか?不思議に思えることさえあります。上に挙げた当局の説明文にも「所定の成績を収めると」とありますよね。所定の成績、つまり、高得点を取得することこそが難しいわけであって、IB認定校の看板がついたスクールに入れておきさえすれば誰もが可能なわけではありません。45点満点のスコアのうち、最難関大学の受験でものを言う(ハイスコアであるがために受験が優位になる)スコアとは限りなく満点に近いような点数だそうです。

(日本国内で)IBの道を選ぶ時は慎重に。私がそう思う理由は、そもそもIB理念である「探求し、考え抜き、コミュニケーションをとる」って私が思うに、日本人の苦手なポイントだと思うんです。もちろんこの理念を実現できたならばスキルセットとして人物像として、素晴らしいですよ。でも、日本人の資質ってそもそも「静かに聞く」ことを良しとするようなところが根底にあると思います。IBが掲げる理念や学習者像と、日本人が元来持った素質が、はじめからバッチリかぶっているわけではないんです。もっと言うと、馴染まない気がしています。優劣の問題ではなくて、タイプがそもそも違うよね、と言いたいのです。東大卒の国内では優秀な人物でも欧米人の集まりの中では議論に耐えうるほどの対話力を持っていない、と言うケースが多々あるのは、そのためだと思います。

ですから、まずはそうした性質やカリキュラム概要(DPの試験概要も含めて)を良く調べて深く理解した上で、それでもIBの理念と内容に共感するから子どもにIBの道を進ませたい、と思えた段階で学校見学などの検討作業を始めてみれば良いのです。日本で典型的な日本式教育を受けた典型的な日本人夫婦のお子さんで、帰国子女でもなくかつ今後海外渡航(駐在)予定もないケースなのに日本国内でIBを道を検討する際は、細心の注意を払う必要があります。特に巷では、昨日や今日できたばかりのIBスクールやIBコースが乱立しています。これは、日本政府が2013年に「2018年度までにIB認定校等を200校」に増やすことを閣議決定して目標と定めたために、大急ぎで認定校を増やしているためです。IBの教育は、教師陣のIB指導経験と質が全てです。そしてスクールそのものが持つコーディネーティング(科目選択などの指導)の経験やスキルが全てです。

日本国内に、これだけ大急ぎで大量に作ったIB。日本に、IB指導経験を持つ質の高い教師がどれだけいると思いますか?本当に足りると思いますか?私は正直、疑問です。

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