たまに報じられることがある日本の放置児童の問題。自分の子どもがどこで何をしているのか、親が関心を持たず、ほったらかされている状態の子どもがある一定数この国に存在してる、という問題です。先進国であり豊かに見える日本に、こういった社会問題が横たわっているという報道をたまに見かけますよね。あまり表沙汰にならない一見目には見えにくいお話かなと思ったりもしますが、このような児童というのは(報道によると)実際にいるということのようです。虐待や完全なネグレクトまではいかないし登校もしているので、きっと警察や機関の介入とまではいかないお話なのでしょう。低学年なのに「放課後極端に遅い時間まで家に帰らない」「家に遊びに行かせて、と言って家に上がろうとする」「妙に人懐っこくて異常に(赤の他人)大人に甘えてきて食事などを要求する」などの特徴がある、というようなことが記事に書かれていたのを覚えています。貧困などを背景に、両親共働きで帰りが遅いケースや、離婚家庭、もしくはやはりネグレクトが疑われるケースもあるとか。(ちなみに、放置子、放置児、などの呼び方はネット上の造語であり、社会福祉上で使われている専門用語ではありません。)

一方で、私がインターナショナルスクールの世界で見かける「超超超富裕層において見られるある種の放置児童」の話をしたいと思います。私自身が実生活で見聞きし実際に経験したことを元に考察したものであり、一般的にネットや報道で話題となる(上で述べた)放置児童とは異なる、別な意味の放置児童のお話です。

インターナショナルスクールに自分の子どもが通っていて気づいたのですが、放課後「ほったらかし状態にある」児童を何人か見かけることがあります。「ほったらかし」といっても、先に書いた「自分の子がいつどこにいるのか親が全く知らない」いう意味の放置ではなくて「通う場所をしっかり手配された状態」での放置なのです。「体の居場所は完璧にしかもかなり高いコストをかけて手配されているのだが、気持ちや心が"放置され"ついていっていない状況」ということなんです。これは超がつくほど富裕層の中のほんのほんの一部に見られる現象のように思います。インターの世界で私が垣間見たものです。

もう少し詳しく書きますね。これだけではわかりにくいですよね。

これはいわば富裕層界の放置児童だなと感じている子どもとは、例えば... 日本語があまり話さないほぼ英語オンリーのお子さんが、放課後を中学受験専門の塾に1日に何時間通っていたりするケースが一つです。インターに何年もいて(日本人でありながら)日本語が読み書きが衰えている子どもが、最高峰の私立中学への合格率が高くて有名な塾などに放課後自分で学校から移動し夜遅くまでそこで時間を過ごすのです。かなり長い拘束時間の塾に行っている、という事実と、学力面の様子が一致しない。「行かないで公園で遊んでいたら親にバレちゃったー。」「夜中まで(スマホで)LINEしてるのがバレちゃったー。てヘヘ。」というのは日常茶飯事。比較的荒れていていて問題行動の多い児童です。塾の中で年齢相応の学力および日本語力がなくてついていけないことが予めわかっているので、学年を一つ二つ下げたコースに入れてもらうよう交渉したがダメだった、というお話を親御さんからお聞きしたことがあります。無理もありません。中学受験用の塾は、目的が中学受験合格なので、必然的に生年月日によって入るコース(学年)が決まってしまいます。仕方ありません。本人が日本語力が足りず授業があまり理解できなくても構わないので、とにかく放課後通わせたいというニーズであり、週末の模試などは受けずに平日の放課後だけ(つまり両親が働いている日だけ)通うのです。そういった塾は物凄くお高いと聞きますが、このような塾の使い方をしている家庭もあるのです。

そうでなければ、「放課後→習い事A→習い事B→帰宅後家庭教師」というようなスケジュールを、学校に迎えにきたフィリピン人のヘルパーさんとタクシー移動でこなす、という児童もかなり低学年から見かけます。本当に疲れ果てていて笑顔が一切見られない児童。空手や〇〇道、みたいな感じの武道系の習い事を何年もやっているけれど、他人からかけられたバイバイ!やおはよう!などの挨拶には一切無反応、というような感じです。心技体、が整っていないまま年齢だけが上がってゆく...といった感じです。そして小学低学年くらいからスマホを買い与えられ、スマホゲームの世界へ完全に没頭して行きます。かなりの頻度で両親ともに海外出張に出かけられるご家庭で、朝起きてから夜寝るまでの間に親と顔を合わせ、会話をする時間は恐らくほとんどないのでしょう。

こういったサイクルで日々を過ごしていると、だんだん年齢が上がるにつれ、やはり心が荒れてくるお子さんが多いように思います。特に極端に早い年齢でスマホゲームやオンラインゲームにハマったお子さんは、その傾向が顕著のようです。放課後のクラブ活動中に、夢遊病のようにふらりとその場を出て行ってしまうお子さんがいて(スポーツの試合中です。)先生が「どうした?トイレ行くの?具合悪いの?休みたいの?」って聞いても無反応でふらーっと行ってしまうんですね。(結局トイレに行って、その後はカバンからスマホを出してゲームして座り込んでいました...。)一度だけお会いしたことがあるお母さんは「うちの子って無口なの。」「大人しい子なの。」と言っていましたが、それが彼女のお子さんの本来の姿を説明する言葉として適切な表現なのか否か、私にはわかりません。

こうなってしまうとエッセイが書けなくなります。インターの授業の中で何かしら出てくるライティング関係が次第に出来なくなります。低学年からどのように時間を過ごして来たか、の結末が如実に現れるのがエッセイ、ライティングのように私には思えます。放置されてスマホ中毒・ゲーム中毒に陥った子ども達が、たとえ有名な中学受験対策塾に週何日も通っていようとも、インターではESLなどの特別学習サポートがついているお子さんがいるのはそのためです。英語圏出身の親が持とうと持っていまいと関係なく起きる事象です。

おそらく、言葉を介して他者との繋がりを保つということができなくなってゆくのでしょう。全てのものが準備され、目の前にある。そしてスマホもある。人と話す必要も無ければ、機会も無いのです。自分を連れ回してくれるフィリピン人のシッターさんは常に携帯をフィリピンの家族と繋げっ放しでタガログ語でおしゃべり中。目の前にいる自分の雇い主の子どもを躾し、教育する義務までは無い、といったところでしょうか。雇い主に指示された通り子どもを決められた時間に決められた習い事の場所に帯同し連れて行くのが、彼女たちの仕事です。子どもは車の後部座席に座っていれば次々と違う習い事に連れて行かれ、ある時間が来ると家に戻る。これらのすべての場面に、親はいない。といった具合です。この状況が、当事者が選びたくて選んだものなのかどうか、当然私には知る由はありません。口を挟む筋合いもありません。

ただ、低学年の時期をこのように過ごし、いずれスマホを買い与えられ次第に年齢が上がるにつれて、学校・自宅から習い事への移動も自分で自由にやるようになると... という段階に比例して荒れてゆくお子さんたちはある一定数お見かけします。

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