今日は、TokyoMamanにお問い合わせ頂いたご質問の中から「アジア圏のボーディングスクールってどうですか?」についてお話したいと思います。以前の記事「イギリス私立校 フランチャイズで海外進出拡大」でもお話したように、イギリス国内での伸びしろ(収入源)に限界を感じた名門スクールが次々とアジア圏にスクールをオープンさせています。主に中国本土、そしてタイやマレーシアです。ほとんどがフランチャイズ経営されていると私は思っています。日本にも次々と通訳付きのマーケティング要員を送り熱心に新規生徒の獲得の為の活動を行っているスクールもあります。これらのスクールについて「どうでしょうか?「子どもを入れる価値があるかどうか?」というご質問です。「まだ出来たばっかりですしね。わかんないですよね。でも気になります。」と意見を求められることもありますし、インターナショナルスクールのコミュニティで実際話題になることもあります。

スクールの例を挙げると、例えばHarrow on the Hillで有名な歴史と格式のあるHarrow Schoolというイギリスの名門ボーディングスクールがあります。(13歳から18歳までの全寮制男子校)近年、中国本土、香港やタイに出店(?)しています。2022年には日本の岩手県にも進出する、というニュースが出ていましたね。

もう一つの例は、Marlborough College。キャサリン妃の母校として有名なこちらも歴史のある学校です。マレーシアのジョホールバルにMarlborough College Malaysiaがあります。

他の方々と同様「わからないですよねえ。」私もそう思います。そして、もう一つ思うのが、本校と分校は「違う」ということです。中国やタイにある分校は「イギリスの伝統的な質の高い教育を、(イギリスにある本校と)同じように提供している」と主張しますが、それは違います。分校はフランチャイズ経営されているからです。大雑把で乱暴な言い方をすれば「伝統のある看板を借りて商売している」に過ぎない、と私は解釈しています。空前のインターナショナルスクールブームに沸いている中東やアジア圏において、資金があればこうした英国のブランドとタグを組んでビジネスを起す人がいても不思議なことではありませんし。

「違う」と私が解釈の根拠はこれです。古くから上流階級の英国紳士を育ててきた英国のHarrow Schoolは男子校です。しかし、アジア圏に開いた分校は共学。「え?Harrowといえば男子校じゃなかったの?」と思わずにはいられません。Marlboroughにしても、マレーシアの分校は3歳児を受け入れるNurseryからESL(英語サポート。マレーシアにあるMarlboroughでは「EAL」=English as an Additional Languageと呼んでいる)も提供しているようです。英国にあるMarlborough本校が「英語が上手じゃなくてもサポートしますからどうぞどうぞ!」と言って集客しているとは思えません。伝統と格式のあるEtonやHarrowのAdmissionsの人が東京にやってきて、英語を話さない日本人の父母に無料の通訳を提供して「お子さん、英語が話せなくても大丈夫ですよ!我が校にはESLサポートがありますから!」って言ってマーケティングしているところを、私は見たことがないです。(ですが、アジア圏にある分校がそれをやっているのは度々お見かけします。)伝統と格式のある本校と、フランチャイズ経営の分校は「違う」と私が理解している理由はそこです。


今年実際に一つの「アジア圏にある分校」を、小学生のお嬢さんと一緒に見学訪問した方のお話を一つ例にとります。そのお嬢さんは日本でインターナショナルスクールに通うお子さん、ご両親は英語の話せる日本人です。まず予約通りに現地を訪れると、そこには頼んでもいないのに日英の通訳者が手配されていたそうです。「日本人の親は英語を話さない。」というのがスクールの解釈なのでしょう。そして、そのように解釈が定着してしまうほど「英語を話さない日本人家族がその場を訪れてきたのだろう」ことが推察されます。Admissions(入学担当)部門には日本人スタッフもいてそういったご家族のお世話なりを担当されている模様だったそうです。広大な敷地と施設を見て回り、最後に空席がどの程度あるのかの話が出て見学が終了。スクリーニングなどは全然厳しくはない様子でしたが、どの学年ももう枠は埋まってほぼ満員状態だったようです。


私の回答はこうです。子どもをボーディングスクールに通わせる動機を、仮に「世界ランキングトップ10に入るような超難関名門大学に進学すること」を目的と定めるのであれば、Harrow International School Bangkokではなく、絶対に英国にあるHarrow Schoolを目指すべきです。超超超名門の由緒ある男子校であるHarrow on the HillのHarrowを目指した方が良いに決まっています。各校のホームページを調べれば進学先にオックスブリッジへの進学人数など簡単に調べ、比較分析することなど簡単にできます。

海外のボーディングスクールを検討するときに、それが欧米圏であれアジア圏であれ、「何を目的にボーディングスクールに我が子を送るか」という目的や、「何を持ってしてその留学を成功とするのか」という価値を事前にしっかり見定めることです。単に「英語力」を求めるのであれば、義務教育を放棄して海外にやる必要はなく、駅前にある最寄りのベルリッツにでも通わせれば良い話です。留学の目的を「英語習得」に置く時代はもう終わっています。国内のインターナショナルスクールの現状と事情は同じで、アジア圏の分校に集まる生徒層とは、多かれ少なかれ「高額の学費をAfford(=払える)できる経済的自由を持った家庭の子どもであることは間違いないが、アカデミックや英語の質・レベルの高さをもってしてスクリーニングを受けた訳でもない生徒たち」なのではないでしょうか?と思います。

ありがちですが「ボーディングスクールに行かせることだけ」が目的で低学年からボーディングに行かせた場合。華々しい大学進学を遂げるお子さんもいれば、同じように、そううまくは行かないケースだってたくさんあります。親の気持ちが揺らいでしまって「やっぱり途中から日本に帰国させ日本の受験をさせる」などの”長期的に見たら意味不明としか言いようがない”展開を見せ、挙句の果てに渋々や広尾学園(←熾烈な戦いが想定されます)などの受験に失敗してしまったり、「それって、ふつーに近所の区立小や区立中からでも入れたんじゃない?」と突っ込みたくなるような(もちろん、ご本人には突っ込みませんよ!)学校に進学したりするケースは珍しくない話です。はたまた、ジュニアボーディングから日本へ帰国する際日本国内のインターナショナルスクールを受験したが不合格になったケースもありますよ。最近は小さなお子さんのボーディング留学を斡旋する業者も増えていて実際にそういった経験をなさっているご家族もたくさん知っています。が、その後の展開・進学先は本当に本当にご家庭それぞれです。

ボーディングスクールの先にある目的、その先にある「絶対に手に入れたい目標」を親子で共有して臨むべきです。「近さ」の利便性をとってアジア圏なのか。「英語を話さない親向けの通訳サービス」を頼ってのアジア圏なのか。大事な成長過程にある小さな子どもを親元から離す動機がどこにあるのか、の価値観をしっかり家庭内で確立してからのぞまれるべき、と思います。

 

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