かつて和田さんの書籍が大流行していた時期は一歩引いていて手を伸ばさなかった天邪鬼な私ですが、今更ながら読んでみた「『東大に入る子』は5歳で決まる」(著者:和田秀樹)。膝をバチバチ叩きたくなるほど、同感!同感!の嵐。本当は子どもが5歳くらいの時に読んだ方が良かった!って超いまさら思ってしまいました。今度から、流行ったものは、天邪鬼やってないで、ちゃんと流行った時に読もうっと。笑  別に子どもを東大に入れたいからという動機がなくとも、子育ての(特に未就学期から就学期への段階)成功論がしっかり詰まっているので、私にとって非常に有益な内容でした。

本書への私の共感ポイントは、「幼児期に小学2-3年の内容を習得させアカデミックの領域で“根拠のある自信”と“勝ち癖”を植え付けることの重要性」「お母さんの伴走の重要性」の2点です。その他に「その子その子にあった手法を見つけてやることが大事である」という点にも共感しました。私は二児の母親ですが、たった2人であっても「学びのアプローチ」や「褒めポイント」「叱りポイント」が全く異なることがあり、同じやり方が通じない!と冷や汗をかくことが大いにあります。一冊の育児書や周りの雰囲気に惑わされず、我が子達それぞれの個性に合わせて効き目のあるアプローチを模索するのはやはり親の役目だな、と気づかされます。

幼い頃から机に向かう習慣をつけるということは、セフルコントロールを学ぶ重要なステップです。テレビを見たいと思えばリモコンはすぐそこにあるし、おもちゃも手の届く場所にあるけれど、でも!そうではなくて机に向かって何かの題材に向き合う時間を1日の中で数十分でも持つことができる。そんな「セルフコントロールする意思」を就学時期の少し前くらいから持てるお子さんは大きくなってから強いと思います。これは、10歳やそれ以上の年齢を過ぎたお子さんが一昼夜にして得られるスキルでは絶対にありません。ひとりの人間の中高生の年頃の人格や学習姿勢というものは「5-10歳くらいの時期にどのように過ごしてきたか」が反映されるに過ぎません。別な言い方をすると、5-10歳という重要な土台形成の時期にスマホやゲーム中毒に陥ったお子さんを挽回させることは、無理。もしくは、相当骨の折れる軌道修正作業が必要とされると思います。

この本に出てくる数々のアドバイス(特にアカデミック領域)は、子どもをインターナショナルスクールに通わせている家庭で役立つものが多い気がします。インター家庭が皆抱えるアカデミック領域の問題。「"学年ごとの教科書"に当たるような教材がないから心配」「算数の遅れ」「宿題が無さすぎ(少なすぎて)大丈夫?」というような不安に苛まれながら小学校低学年・中学年くらいの時期を悶々と過ごすご家庭は多いように思います。これについては「我が家は我が家なりの方針で進めちゃう!」と割り切り実行し継続した者の勝ちだと、経験上思います。親御さんが伴走しよく見てあげているご家庭はインターで足りていない物を必要に応じて補足してあげるのが上手だと思います。逆に、不安な気持ちを抱いたまま家庭で対策をとらず、小学生高学年くらいになって突然チューター(家庭教師)や日本の塾などへ「外注する」動きが多く見られます。ミドルスクールに上がる前後の時期に多いと思います。この動きについてはまた別な機会に投稿したいと思いますが、あまり上手く行っている事例を見たことがありません。

最後に。本書の中で私が最も痛快!!と感じたのは、著者が「勉強は家でするもの。お母さんが先生。」と言い切っているところです。私も、少なくとも小学生(中学生もここに入れて良い、と私は個人的に思う)くらいのアカデミックは、家庭教師などの他人に外注せず親が家庭内で面倒を見るに越したことがない、と感じている親の1人です。私が思う教育外注の弊害は以下の点です。

1. 外注先(家庭教師や塾の先生など)のクオリティを管理することの面倒臭さ:お金を払って先生を雇う以上、その先生が我が子のために(親の期待に見合うレベルで)真摯に役割を果たしているか、を親が監視し常に把握している必要が生じます。仮に思うような働きをしていない場合、その先生に是正を要求しなくてはなりません。この作業は親にとって面倒であり、余分な労力と言えます。

2.「教わっている最中の子ども本人の態度やクオリティ」を管理することの難しさ:当然ですが子どもが外注先(塾の教室の中や、家庭教師の前)で高い集中力と勤勉な態度を維持し学ぶ姿勢を示しているかどうか、というのは親には見えません。余程正直な先生が本当のことを日頃から話してくれない限り、親は知る手段はありません。仮に子ども本人の学習態度が悪い、意欲がない、というようなことが起きていても、外注する親に対して受注する塾や教師という金銭契約上の関係である以上、親側に正確な情報が逐一おりてくる可能性は極めて低いと私は思います。(だから私は外注しません。)

3. 支出:お金です。我が家では「家庭内(親)でまかなえるスキルにはお金を出さない」というシンプルなルールに乗っ取って財布の紐をコントロールしています。仮に子どもがトロンボーンを習いたい、とかアラブ語を習得したいとか言い出したら、どう考えても家庭内で補うことができないので外注するかもしれません。でも、小中学生レベルの算数を外注することは我が家ではあり得ないこと、としています。私が夫が教えられるからです。インターにいると、自分とはゼロの感覚が2、3個分違う!! 爆  というファミリーにたびたび遭遇することがあります。「英語を話さない親が子どもに英語を習得させるために、年収数百万円でアメリカから個人専属英語教師を呼び寄せ(ビザの手配も含め)雇っている家庭」「算数の個別塾に月謝12万円(お子さん7歳)」という例は我が家のごく身近にあるケースです。でも実際のところ、私が驚くのはその金額ではありません。「結果が伴っていないことに親が無関心である点」です。これは投資的観点で考えると、あり得ないことです。

参考図書:『東大に入る子』は5歳で決まる(著者:和田秀樹)