中学生、高校生くらいになり大事な場面で大事なエッセイを書かなかればならない時。大事な場面でディスカッションに参加し自分の意見を述べなければならない時。子どもとはいえ、人間としてどれだけの引き出しを持って、どれだけ考え、どれだけ上手くアウトプット(書くなり、話すなり)できるか、というのは非常に大事なことです。特に昨今の教育シーンにおいては、これまでの「暗記したことをテストで吐き出す」型の学習から「まだ解が発見されていない問題に対し、どう考え、どうアプローチしたか」が重視される流れへ、とトレンドが変わって来ています。これは、以前投稿したブログでご紹介した山本秀樹 氏の「世界のエリートが今一番入りたい大学ミネルバ Minerva Schools at KGIに関する記事でもご紹介した通りです。アメリカの最先端の教育現場では、学びのスタイルがここまで変わって来ている、という話をしました。

暗記型、用意されたシナリオやマニュアルに添った学びに慣れている日本人にとって、欧米の高等教育に進むための優秀なエッセイを書くことはとても骨の折れるものだと思います。日頃から世の中のIssueに耳を傾け、自分で調べ、自分なりの考えを持つ、それを書く、という作業は非常に負荷のかかる仕事です。そもそも「自分の考えを持つ」ということは、単に試験対策として一昼夜にして身に付けられるものでもありませんし。

これは、超長期のスパンとして捉え、日頃の生活の中から世の中に起きていることに目を向ける習慣を身に着ける必要があります。食卓でも移動中の車の中でも、「議論をふっかける」そして「それにどうRespondするか」のキャッチボールを日頃から行っている家庭で育った子どもは強いです。普段から「どうしてそう思ったのか」を言語化する習性を持っていれば、それを「書く」というアウトプットの作業を行うことは比較的楽になると思います。一番辛いのは、「何も思わない」「何も感じない」「何も書くことがない」のループに陥ることです。

我が家が「話のネタに」使っているメディアをいくつか紹介します。一つ目は、TED Edです。多方面のトピックを子ども向けに一つ4,5分の動画にまとめている秀逸なサイトです。メンタルヘルスや医学、科学をはじめ哲学や思想など。ネタは本当に幅広く、子どもが単純に「へー。知らなかったー。そうなんだー。」と感じたり「何で?どうして?」の知的好奇心を開く一つのドアになったりするので重宝しています。

TED Edウェブサイトから引用)

次におすすめするこれは、少し高い年齢層向けかもしれませんがおすすめです。ケーブルテレビでBBCを視聴できる環境にいるご家庭には特におすすめ。イギリスのBBCには、イギリスの国内住んでいる人がみるローカルニュースのBBCと、BBC Worldと、それぞれあります。我が家では、夫が仕事から帰宅して食事を済ませた時間帯に「さて今日1日のニュースを見ようか。」という夜のひとときに見るのはBBC Worldです。単に「今日の株式市場で起きた出来事」や「今日、トランプ大統領が何とコメントしたか」 を知るにはCNNでも良いのですが、私たちがBBC Worldを気に入っている理由は、第三国も含め世界全体のトピックをカバーしていることです。特に、日本に住む一般的な日本人がカバーしていない、アフリカや中東などのエリアに関する特集やインタビューものに関して、非常に優れたプログラムを提供していると思います。これは夫が良く言うことなのですが、「どんなに日本国内で高学歴な人であっても日本人が持つ世界感には独特の狭さがある。」と言うことです。「日本のこと。そして、せいぜい外国といえばアメリカのこと。あとは、よく摩擦が起きている近隣のアジアのいくつかの国のこと。それしか知らない。だから話が広がらない。」というようなことを、いつもぼやいてます。

例えばBBC Worldで上手くカバーされているアフリカ地域に関していえば、日本でその歴史やニュースが逐一報道されることはありません。日本との関係でいえば歴史的に特に深い関係性があるわけでもないし、地理的にも近くないので当然といえば当然です。しかし、グローバル単位で地球全体の地理を見渡したとき、アフリカは他の大陸と同様広大な大陸です。他のどの大陸よりも豊富な天然資源を持つ国が多いわけですが、残念ながら世界レベルの最貧国も未だの多くこれからの発展を待つ地域もあります。ただし、単に欧米式に発展すれば良いという単純なものでもなく、これまでの植民地時代からの歴史や濃い独特の文化など、知るべきこと考えるべきことは非常に多い地域です。

BBC Worldウェブサイトから引用)

アフリカ、というトピックは一つの例に過ぎません。単に私が個人的に今後の発展に興味を持っている一つの分野であるに過ぎないのですが、「自分が日本にいて何不自由なく安全に暮らしている」という角度で世界を見る目線とは、全く違った角度や目線で世界というものを見つめる時、そこに「思うところ、感じるところ」が生まれ、「書くべきネタ」が生まれるのではないかな、と思います。目下、親としての私の仕事は「ネタの芽」を日々子どもに提供し、いずれ彼らが何かに着眼し始め、自分の見解を持ち始めることを見守り育てることなのでしょう。