大きな環境の変化が起こりました。2020年3月に始まった休校、そして子ども達のE-Learning生活と外出自粛生活の開始。これは非常に大きな環境の変化であり、私たち親子も新たな世界に踏み入れた感触を毎日噛み締めるようにして過ごしています。首都圏のインターのうち、早々に「今年度は学校閉鎖を続け学年末までE-Learningを続ける(=つまり閉鎖のまま夏休みへ突入)」と宣言をしたスクールも出ていましたね。横浜方面のスクールです。のちに、主にスクールバスを通学手段としているスクール勢いくつかもそれに加わる形になりました。もちろん、政府の緊急事態宣言にならって「学校閉鎖は5月6日まで」をうたっているところもあります。しかし、結局のところどのスクールも最終的には学年末まで閉鎖を続けそのまま夏休みに突入することになろう、と私は予測しています。最終的には...です。
残念ながら、これからはリーマンショックを遥かに上回る規模の「世界の混乱」「恐慌」が長期に渡って起き、続くことが予想されます。そして、これらの事象は国内のインター事情、人口学に大きな影響を及ぼすだろうと想定されます。リーマンショックは思えば金融業界を発端とした景気悪化だったわけですが、今回は全ての業界と世界、実体経済に深刻な(言いたくありませんが「壊滅的な」)冷え込みをもたらすだろうと思います。これまで資金豊かで世界中に多くの職員を駐在させていたグローバル企業とて、影響を免れません。ウィルスの問題と資金の問題の両方を抱えることにより、駐在員の数を相当絞らざるを得なくなることでしょう。
リーマンショック(そして後に起こった東日本大震災の影響も併せて)によって国内のインター界に何が起きたのか、については私としてはかなり記憶に新しいことです。景気の急激な悪化によって外資系企業が東京に駐在させておいた社員(駐在家族)を本国に戻すことになり、東京を去った(震災によっても多くの外国人家族が東京を離れた)ため国内のインターは生徒が激減し、経営が危うくなりました。
結果として国際的なバックグランドを持たない、親が英語を話さない世帯のお子さんを、大量に入学させるインターナショナルスクールが増えました。生徒が足りないからといって閉校するわけにはいきませんから、高額な学費を喜んで払い日本の義務教育を自ら放棄して入学してきてくれる家庭をたくさん入れて経営を持ち堪えさせたと言われています。(こうした家庭は東京を離れることはないため、基本的には入学からハイスクール卒業時まで在籍する傾向が強いです。これが後に - 2020年にコロナウィルス騒動が本格化するまでの間 - 首都圏のインターを満員にし続けた背景となりました。リーマンと震災後に景気が良くなり東京に再び駐在員が増えた時も、インターを必要としている外国人家庭の子どもがですら空席待ちをしないと入学できない事態が起きていた背景です。)
そして、今このコロナウィルス騒動により各スクールがキャンパス閉鎖とともにE-Learningを実施しています。これは少なくとも夏休みまで(もしくは秋の新学期も?)は続くでしょう。駐在員家族は感染防止策としての国境閉鎖(とは言ってもパスポートを持っている自分の国には入国はできるでしょうけれど)など様々な困難がある中、離日を決める人もいるでしょうし、企業がそういう判断をすることが考えられます。「ウィルスのせいで」離日する人よりも、「(これから待ち受ける)大恐慌の煽りを受け企業側が社員を他国に駐在させる体力を失うせいで」離日する人が増えるのではないか、と思います。(もちろん超短期的には、ウィルスのせいで次の駐在予定が頓挫したりして身動きが取れない家庭もあるのも事実ですが)
そうなれば、国内インターはリーマンショック直後&震災直後の状況に逆戻り。同じ(もしくはもっとひどい)現象が起きることになろう、と予測します。つまり、現在二人の子どもをインターナショナルスクールに通わせている私が恐れている点は一言でいうと、「環境全体の英語力が今以上に低下する」ということ。